”1番素敵な奇跡”であり続ける9人に出会った話(後編)

 

 

8月頭、私は半年以上出さずにいた沼落ちブログを世に出した。

 

 

メンタルボロボロだった自分が、超特急に出会う話。

こんな内容誰が読むんだよ、と書きながら思っていたが、予想以上の反応をいただけてびっくりした。(ありがとうございます!!!!)

※ちなみに、このブログは前回のブログを読まなくても読めます!

 

 

 

 

 

前回のブログの内容からから一年以上経った今

 

あの頃、縋るように超特急の光に掴まった私はもういない。しかし出会ってから今でも変わらず、私の中では超特急は光のような存在だと思う。

 

 

 

 

今回のブログは、本来なら前回のブログ『”1番素敵な奇跡”であり続ける9人に出会った話』と一本でまとめるはずだった初乗車ブログになる。

(前回、題名に9人と書いてあるはずなのに、5人時代の超特急の話しか出てこないのはそのためでした)

 

そのため、このブログを後編とし、前回のブログは前編と改題させてもらっている。

 

 

 

 

 

 

そろそろ本題に入る。

 

 

 

 

私は1年前の新世界NEWWORLDで初乗車をした。

 

 

いろんな人が新世界の初乗車ブログを世に出しているので、何番煎じだろうと考えつつ、

 

 

 

今回は初乗車の一年前を振り返りたい。

 

 

 

 

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昨年の11月。

 

私は、新世界NEW WORLDのFC先行の二次に応募してチケットを取った。

 

昨今の状況とは違い、新世界のときはまだ二次でも余裕がある感じだった印象(私がたまたまチケット取れただけかもしれないけど)だった。

ローチケも出ていたし、一般も取れていたように思う。

 

 

初乗車まで、準備という準備はほとんどしていなかった。

日頃の隙間時間に曲を聴いたり円盤を見ることはあったが、好きでやっていることで「初乗車の準備」という義務感はなかった。

周りに8号車もいないので、1人で黙々とオタクをする毎日。

 

 

元から1人で沼にハマり、1人で現場に行くタイプのオタクなのでこれがいつも通り。

 

 

 

プラスして、このとき大学4年生の私は卒論に追い込まれ限界メンタルである。

超人見知りの私が、初めての界隈で人に会いたいと思う心の余裕はなかった。

 

 

 

 

 

 

そして時は過ぎ、12月25日。大阪城ホール

 

 

卒論を提出、試問を受けた数日後に初乗車をした。

正直、12月の記憶はほとんどない。

 

 

 

大阪城ホールの周りにはすでにたくさんの人がいた。

1人で来ている人も多くいたが、それ以上にお友達らしき人たちでまとまって会話している姿が目についた。

 

 

 

空気的にはだいぶ和気藹々としてる印象。

 

 

 

私が棒立ちで立っていた近くでも、4、5人がバラバラにところから合流して、楽しくお話ししている様子を見てびっくりした。

今まで役者さんばかりを推してきた人間にとっては、現場はお芝居を観に行く場所だったため、1人で鑑賞を楽しむ感覚に近かった。周りもそういう価値観の人が多かったように思う。

 

 

だからこんなにファン同士で交流している会場はあまり見かけたことがなく新鮮だった。

 

 

今までの現場では、隣にいた人に話しかけることはあっても会いたいから会おう!なんていう友達はほとんどいなかったので、なんとなく羨ましかった。

 

 

 

そして、そんなあたたかな空気感を感じた中で会場に入る。

そこでもまた、盛り上がってる方を見かけた。

 

 

 

自分の席を見つけて座ると、私の前列の席に座る数人(初対面同士ぽい)でペンライトの紐を通すのに奮闘していた。

 

 

 

 

あぁ、わかる。手こずるよなぁ。

と共感しつつも、大人数人で、結構な時間を紐を通すのに苦労する姿が微笑ましくて、マスクの中で口角が上がってしまった。私も手伝えたらよかったのだが、ヘアピンなどを持っておらず参戦できなかった。

 

 

他にも、初乗車の人には「え!?初乗車なんですか!」と先輩8号車さんたち嬉しそうに話しているのが聞こえてきて、噂に聞く”新規に優しい8号車(実物)”を初めて目撃した。

 

 

 

 

 

盗み聞きしているという申し訳ない気持ちと話の内容のあたたかさに勝手にほっこりしてしまう時間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそして、開演時間。

 

 

 

すごい緊張した。

オープニングが始まり立つと、膝が震えて腰が抜けそうで口から心臓が出そうでとにかくやばかった。

 

 

 

 

 

たった3ヶ月だが、私は超特急の曲が彩る世界にいた。

私の生活にいつも超特急がいた。

 

 

 

 

 

 

 

そんな彼らに会える。

 

これがこんなにも怖くて嬉しいことだとは思わなかった。

 

 

 

 

 

 

オープニングが終わる。

ステージ奥の幕に、彼らのシルエットがうつった。

いざ出てきたと思うと、彼らはオープニングムービーでも着ていたローブを着ていた。

 

 

そしてすぐにモノクロから一転したカラフルな彼らが目に入る。

 

 

 

 

 

 

と思ったが、1人だけ違った。

 

 

 

 

 

みんなイメージカラーの上下セットアップ。さまざまな色が輝いていた。

 

 

しかしユーキさんだけが

 

 

真ん中で、あみあみのスケスケ(思い浮かばない人はYouTubeで新世界のネバギバを見よう!)のインナーを着て参上していた。

 

 

 

・・・・・!?!?!?!?!?

 

 

 

これはユーキさんだけ特別仕様なのか……?と頭が混乱したが、おそらくこれは「脱ぎ過ぎ」たのだと理解した。本物の超特急だ!と本物のドジっ子だ!を同時に摂取することになるとはすごく運がいい現場だった。

 

 

そのあとぐすぐ、トロッコでユーキさん(ちゃんとジャケット着てた)とリョウガさんが近くに来てくれたときは感動した。こんな顔の小さい人この世にいるのかと思ったし、目が大き過ぎてあんな小さな顔に収まっているのが不思議なくらいだった。

 

 

My buddyやBurn!を踊れたのもすごく嬉しくて、ただただ幸せで泣きそうになった。

 

 

 

バッタマンや超えてアバンチュールのときは、振りを踊る8号車のペンラ芸に感動した。自分も同様に踊っていたが、同じ熱量で踊れる人たちが集まったあの空間は面白すぎた。まだ声は出せなかったが、初乗車の私にとってはすごく満足感があった。

 

 

超特急のライブはどの席でも楽しいと聞いたが、本当にそうだと思った。

私は会場のペンライトが綺麗に揃って動く姿が見られるので後方の席でも楽しいと感じるし、コールをするのは座席関係ないので問題ない。

 

超特急がペンライトの海の中で歌い踊る姿を見るとそれだけで胸いっぱいになってしまう人間なので、おそらくドームに立ったら天井席で号泣するタイプのオタクだろう。

 

 

(とはいえB9で初のホルツ参戦したときは、客降りで至近距離にカイくんやタクヤくんがきてくれてめちゃくちゃ嬉しかったし、美しすぎて体がのけぞった)

 

 

 

 

 

あとは1年前の出来事であるためMCの内容はあまり覚えていないのだが、

リョウガさんの「この4ヶ月弱の期間は、これまで過ごしてきた10年に並ぶくらい濃い時間だった(意訳)」という言葉が強く心に刺さっていた。この数ヶ月、どれほど大変だったか、どれほど目まぐるしい日々だったのか。想像できないほど葛藤をしてきたのだろうと思った。

 

 

 

 

ライブ中、9人の「ライブを成功させたい」「お客さんに喜んで欲しい」という思いと同時に、”ステージに立つ人間として全力のパフォーマンスをする”という強烈なプロ意識を感じて、体中がビリビリする感覚だった。9人でのライブが初めてだったということもあったと思う。終始楽しい時間なのに、どこにも隙がない9人に畏怖の念さえ感じた。

 

 

 

超特急がドームに立つまではこの目で彼らを見届けたい。

 

 

ライブ中に何度も、強く思ったことだった。

 

 

 

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このライブのチケットを取ったとき、最初は思い出作り半分といったところがあった。

 

 

自分を暗闇の底から救い出してくれた超特急(気になる方は前のブログの後半部分を)に対して感謝の気持ちもあった。

けれど、あくまでも趣味は趣味。私にとって生活が1番で、推し活は二の次だから「そういえば超特急にハマってた時期あったな・・・」と思う未来もありえた。だから、熱が冷めないうちにライブに行ってみたかった。

 

 

 

実際運が良くいいタイミングで行くことができたし、私は無事ズブズブの沼にハマった。

 

 

 

 

 

 

まだ初乗車したことない人がこのブログに辿り着くことがあれば、

 

 

 

 

コールや振りがわからなくて迷ってるならご乗車ください!めちゃくちゃ楽しいので!!

とだけ伝えたい。

 

 

 

(もちろん、ライブに来なくたって超特急のオタクは楽しいけどね。)

 

 

 

 

 

そして、去年の初乗車直後の私には、

 

 

初乗車から1年が経ちそうな今でも楽しく8号車してるよ!!

 

 

ていうか今の方が楽しいから安心しな!!

超特急以外のEBiDANにもズブズブだ!!!!

 

 

と伝えたい。

 

 

 

 

 

 

(終わり)

 

 

 

 

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おまけ:フックが多すぎて罪深いよ超特急

 

 

 

私は8号車なりたての頃、数えるほどのリア友しかいない鍵垢で超特急のことを永遠と語るという行為をしていた。

 

 

そんなことをしていると、自然と友人たちは「あーこいつ、とうとう超特急に手を出したか」「よく知らんがこいつは超特急というグループを好きらしい」という認知の仕方をするようになっていった。

 

 

 

そんなときに、開催された「ももいろ歌合戦」(2年連続出場おめでとう!!)

 

 

 

 

私の友人たちは、その「ももいろ歌合戦」で超特急を見てくれていたようで、大学が始まると、超特急のバッタマンを見た友人たちから「面白かった」「すごくいい曲だった」と有難いことに感想をもらえた。

 

 

その後も超特急に興味を持ってくれる人が何人かいて、私が布教したときにはすごく楽しく話を聞いてくれた。

 

 

 

そのときに思ったことがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと待って……超特急って良いところ多すぎない………?(大大大真面目)

 

 

 

そう思った私は、つらつらと超特急の良いところを指を折りながら考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

(ここから良いところ並べていく狂気ゾーン)

 

 

・メインダンサーのパフォーマンス力

(ダンスの技術はもちろん踊りを通しての感情表現の豊かさ、表情の豊かさ)

・バックボーカルの歌唱力

セブイレの突き抜けた歌声)

・曲単体としての良さ

(王道アイドルポップから、バラードから、幅広いジャンルの曲調。歌詞は元気が出るもの、寄り添ってくれる曲も多いの個人的に大好き)

・喋りの安定感

(安心して聞けるトーク力。トークライブができるほどの実力者がいるってすごい)

・演技もできちゃう

(緑の窓口ことタクヤくん以外にも、アロハくんやハルくんも本格的にお芝居との二足のわらじが始まりそうだし、カイくんも俳優活動が定期的にあることも忘れちゃいけない)

・ルックスが天才

(個々がそれぞれの美しさを持っているのが素晴らしく”良”。顔ちいさい、顔のパーツが整いすぎている、足長い、スタイルがいいなどなどなど。)

・みんな仲が良い

(というのはオタクの健康にいい。本当に幸せそうで泣く)

・8号車(オタク)への愛情が深すぎる

(こんなにファンに真摯なグループがあるのかと思ってしまうくらい愛情深い。リョウガさんは8号車のことを話すときの言葉が優しいし、ユーキさんは熱いし、カイくんはメロい)

・常に誠実で謙虚で真面目で”魂”(と書いてソウル)の熱い人たち

(魂が熱すぎて、8号車までアチい魂背負ってる。ライブは魂と魂のぶつかり合い)

・親しみやすさ

(話したときの穏やかな雰囲気や笑顔で楽しそうに歌って踊るパフォーマンス)

 

 

 

 

 

良いところがすんごい多い。

 

 

 

一つ一つ語るのにも1時間くらいかかりそう。いやもっと。

 

 

 

 

 

 

 

私の周りには、いわゆるダンスボーカルグループのオタクはいなかった。

 

 

みんなそれぞれがマニアックなオタクで、お互いによくわからないが楽しそうならオールOKという感じ。

 

 

 

そんな友人たちに超特急のことを話すと、みんないろんなところにとっかかりを覚えて興味を持ってくれていた。

1人は突飛なパフォーマンスに、1人は歌詞の良さに、1人はルックスに......と、きっかけは様々だが、超特急に興味を惹かれて私の話を楽しんでくれる人が多かった。

 

 

まさに総合力の鬼、超特急。

 

 

フックが多い分興味をそそられやすいし、好きになれるところが多ければ多いほどこの沼からは抜け出せない。

 

強すぎる超特急。

 

 

 

”1番素敵な奇跡”であり続ける9人に出会った話(前編)

遡ること昨年の10月。

私は偶然出会った。

誰に勧められたわけでもなく、ネットの広告に引っ張られたわけでもなく、まるでたどり着くのが必然だったかのように、私はそれを見つけた。

 

 

”1番素敵な奇跡”であり続けるあの9人に。

 

 

その人たちの名前は「超特急」という名前で活動している、ダンスボーカルグループだ。

 

なぜ私は超特急に出会ったのか。少し遠回りしながら書かせてほしい。

 

昨年の9月まで、私は仮面ライダーにハマっていた。当時クライマックスに向け、駆け上がっていた「仮面ライダーバイス」の沼落ち。

そしてライダーオタクの友人に勧められるままに、他のシリーズもいくつか見るようになっていた。

ちなみに、私は「仮面ライダービルド」と「仮面ライダードライブ」にどハマりした。

 

特に、「仮面ライダービルド」の万丈龍我と演じられた赤楚衛二さんに目を惹かれてしまうと、私は赤楚さんの他の作品も見るようになった。

「ねぇ、先生知らないの」「彼女はきれいだった」「石子と羽男」「ハクタカ」........

その中でも、ひときわ興味を惹かれたものがあった。

 

それが、赤楚さん主演の「チェリまほ」だった。

 

元からBL漫画を好んで読んでいた私だが、ドラマという媒体で受け取るのは初めてで、正直抵抗感が強く存在していた。

しかし、それよりも赤楚さんの演技が見たいという一心に、アマプラで一気見をした。

その結果、私はリクエスト上映している映画館に駆け込んだくらい「チェリまほ」にどっぷり浸かった。端的に超良かった。

 

そしてこの作品は何を隠そう、超特急の4号車タクヤさんが草川拓弥という名義でキャストに名を連ねている作品だった。ちなみに、このときは六角くんの中の人にこんなにハマると思ってなかった、マジで。

 

しかし、エンドロールの「草川拓弥(超特急)」というフォントがなぜか強く印象的だった。たぶん、根が生粋のテレビっ子だった私の脳みそが刺激されたんだと思う。

 

超特急。

 

誰の顔も思い出せないけど、とても懐かしい響きだった。過去の出演番組を調べたときにわかったが、めざましライブめちゃイケにも出ていたという。当時の私は毎朝めざましテレビを見ながら支度をする学生だったが、確かにハロウィンでまあまあ引くぐらいの高クオリティのコスプレをする7人組の若い男の子がいたことは微かに覚えていた。

 

話を戻す。

結論からいうと私は「みなと商事コインランドリー」(以下、みなしょー)で草川拓弥さんに興味を持つことになる。ドラマを見たきっかけみたいなものはいくつかの理由が存在するが、1番は、

 

仮面ライダードライブに出てた稲葉友さん、仮面ライダーバイスに出てた奥智哉さんが出ているドラマ……………だと……………!?

 

 

というライダーオタク人格の私が反応したからだ。

 

そこから見始めた「みなしょー」、これがまたまたびっくりするほど面白かった。

作品の魅力を伝えようとするとそれだけで何千字も書ける気がするのでそれは別の機会にするとして、とにかく清潔感があって、2人の純粋な心の揺れ動きが丁寧に描かれているところがとても好きだった。

主人公の湊晃さんを草川さんが演じてらっしゃったわけだが、六角の中の人だと頭で認識しても、その情報を信用できないくらい、彼は「湊晃」だった。人懐っこくて、商店街のみんなから愛されていて、面倒見のいいお兄さんにしか見えなかった。

シンにガツガツこられることを戸惑いながらも拒否できない可愛らしさがめっちゃ好きだったし、シンの作るアジフライや塩辛に頬を緩ませる表情が愛おしすぎた。

私はそれを観ながら終始、気持ち悪い笑顔をしていたと思う。

 

六角もかわいいキャラだったが、どちらかといえば"後輩""最近の若者"というキャラデザで、湊晃のような”大人の男性”という肩書きとは真逆の立ち位置だったように感じた。しかし、どちらも素敵なお芝居をしていて、これからも草川さんの演技を見たいなと思ってしまうくらい好きだった。

 

そんなこんなで「みなしょー」の最終回を泣きながら見終えた私は、そのあと草川さんが役に入らず(素の状態)でお話している場面を見たいと思った。

これは私のルーティン的な話ではあるのだが、ドラマ作品は全部見終わってから役者さんのインタビューを、記事や動画などで摂取する。どんな解釈で作品や役に向きあってお芝居をしていたのか気になるからだ。その中で、役者さんたちの性格を少しでも知れたら、役者さんを媒体にした役のことをもっと深く知れる気になる。"知れる気になっている"だけということもわかっているのだけれど、役(キャラクター)と役者さんの関係を考える時間が大好きだった。

 

でも「みなしょー」の場合は少し違った。普段なら、作品の話をしている役者さんを見て満足していたのだが、それ以上に草川さんを姿を見て驚いてしまったのである。

 

「え、誰」

 

私の頭にある草川さんの姿は、茶髪で癖っ毛があって少しボサボサの眉毛のお兄ちゃん。しかし、調べて見つけた彼は、めっっっちゃ髪短いし黒髪だし、ぶっちゃけ知らん人だった。

知らん人とは言い過ぎだが、それくらい別人に見えた。少なくとも私の頭にあった湊晃の姿はなかった。(隣にいた西垣さんのビジュアルが役とあまり変わってなかったのも原因にあると思う)

普通なら、キャラクターと役者自身の似てるところがあったり同じ顔なんだから同一人物に見えるはず(見えるというより同じ)なのに、私には草川拓弥という役者が湊晃を演じているように思えなかった。それくらい髪型やメイク、いでたちの中に湊晃がいなかった。

 

いやいや、同じ顔なのに湊晃に見えないって何事だ。草川拓弥さん、おもしれー男すぎる………。

そこから私は、草川さんがどんな人なのかというところにとても興味を持った。

 

 

ここから、私は必然的に彼がいる超特急について調べるようになる。

私が調べたのは10月初め、すでに新メンバーは加入後だったが、「超チューバー」を見始めた私は、5人体制の動画ばかり見ていた。新メンバーのことも、脱退した方がいるのもあまり興味がなかった。

私の目的はただ、草川さんの性格が湊晃とどんなふうにリンクしているのか、なぜこの人が湊晃として生きることなったのか。その必然性を探す、それだけだったから。

 

しかし、たくさんの動画を身漁っていくうちに超特急を徐々に好きになっていく。調べれば調べるほ、5人の愛嬌と親しみやすさあふれる姿に好感を持つようになる。

初めて超特急のことを気になって調べ出したその日に書いた自分の日記には、

超特急のことが書いてあった。

 

タクヤくんの可愛さと男らしさを兼ね備えた感じとか

カイくんの優しくて癒される感じなのに、しっかり周り見てる感じとか

リョウガくんのリーダーとしていつでも先頭に立ってる感じとか

ユーキくんの信頼と実績のパフォーマンス力とか

タカシくんのみんなを優しく見つめてるけど努力家なところとか

 

みんなが各々魅力に溢れていて、かっこよくて素敵な価値観の持ち主なんだけど、すごく謙虚な人たちっていう印象がある。

 

ファンはすごく幸せなグループに愛されているんだなって思う。

 

人に見せる用に文章を書いてないので若干拙さがあるのが申し訳ないし、個人的に解釈違いを起こす方もいるだろうが、ご了承いただきたい。私もおそらく今同じような形式で書かと言われたら、全く違う視点から文章をこの10倍くらいの文字数で書く自信はある。

 

しかし、"ファンはすごく幸せなグループに愛されているんだと思う"という言葉は、今このブログを書いてる私も強く感じる。こんなにファン思いなグループいないだろと。

 

 

 

 

話を少し変える。

 

 

仮面ライダーにハマったのは9月までという話を先ほどもしたが、この9月までというのには理由があった。それは、私が大学4年生で残り2ヶ月で卒論を完成させるという追い込み時期に入ったからだ。加えて、来年からの社会人として通勤するために車の免許を取らなければいけなかった。

 

卒論と教習所とバイトというマルチタスクで10月から絶賛多忙に多忙を極めていた。

私の心は仮面ライダーを見るほどの余裕はなく、目の前のことを一つ一つ片付けることで精一杯だった。

そして、もう一つ気持ちが大きく揺らぐことがあった。

友人との絶縁。その絶縁は、喧嘩別れからの絶交や微妙な関係性で仲が自然消滅したというようなものではなく、定期的に楽しく話していた大好きな友人と一生会えなくなるというものだった。

 

過労による心身の疲れ、大切な友人との一生の別れ。

静かに漂う「死」という言葉に体が引っ張られ、気を抜くと底なしの暗闇に沈みそうになった。

 

そんなある日、私はたまたまバイトの帰り道にあるCDショップに立ち寄っていた。

特に理由があったわけではない。ただ、超特急を知って、他のグループのことも知りたくなったのかもしれない。このときは頭で考えて行動していなかったのでうろ覚えだ。

そして、私は超特急の「DANCE DANCE DANCE」のライブ円盤を見つける。

1個くらい持っててもいいか。超特急ってライブが真骨頂っていうし、もしこのまま興味が無くなっても、記念に買ってもいいよね。

今思えば、行動が沼に片足突っ込んでるじゃんと言いたいところだが、男性アイドルを好きになるという行為自体初めてだった私は、まだその事実から目を逸らしていた。

 

そして「DDD」の円盤を買った。その日の夜、私はバイトで疲れた体を休ませながら「DDD」の円盤を再生させた。

なんだこれ。私はYouTubeでは聞いたことない曲たちやメンバーの見たことないキラキラした姿に驚いた。

やっぱプロってすごい。パフォーマンスがうますぎる。ファンのペンライトもとてもキラキラしてて、会場が一体となって超特急を応援しているようだった。

 

卒論のことも、教習所のことも、バイトのことも、もっといえば将来の不安もこのときは忘れられるような、そんな気がした。

 

食い入るようにライブを見ていると、あっという間に本編が終わり、アンコールも最後の曲になった。

 

「みなさんご一緒に、僕たちは」

「「「「「超特急です!!!!!!!」」」」」

 

5人の言葉が重なって、音楽が鳴り始める。「走れ!!!!!超特急」という名前のこの曲を聴くのは初めてだったけれど、多幸感あふれる曲だった。5人が列になって前の人の肩に手を置き進んでいく、まさに列車を表したダンス。そしてサビに入る。

 

走れ、走れ超特急で。走れ、走れ、君のもとまで。

 

「(一緒に行こうよ!)」

 

ダンサー4人の合いの手が響く。

"一緒に行こう"……この言葉がやけに私の中に響いた。

その言葉と同時に、メンバーが画面の中からいきなり手を伸ばしてくれたような気がした。

 

歌詞が、声が、5人の笑顔が、私の胸を強く打ち、なぜか涙がボロボロとこぼれた。

 

いろんなしんどさと迷いが、自分の中で駆け巡ってた日々が超特急の「一緒に行こうよ」という声で、心に光が刺したように感じた。

 

この人たちのいる未来に一緒に行きたい。

 

超特急が、私の周りを漂っていた「死」の気配を跡形もなく消し去り、前を向かせてくれた。

このとき私は初めて、自分も8号車になってもっと超特急を好きになりたいと思った。

 

今は縋り付くように好きになったけれどいつかは超特急にも胸を張って生きられる自分になりたい、なんて思ってしまった。